漫画
家は厳しかった
漫画、ゲーム、テレビ 親が快く思わないものだらけだった
漫画は買ってはだめ、一度買うと続きも読みたくなり終わりが無いから
20時以降のドラマは見せてもらえず、学校で友人との会話に入っていけなかった
ゲームや本を友人から借りてはダメ
借りたのがバレるとまずはビンタ、洋服を引っ張られ 押され後ろに倒される
親の片手には借りた漫画、片手に私を引きづり無理やり玄関へ
夕飯が終わったであろう時間帯
私は頬を真っ赤にし泣き腫らした顔で親に連れられ友人宅到着
友人の母親が恐縮する中、しつけに厳しくマナーある人間だと演技し親は平謝り
そして私は友人と気まずくなる
しかしこんな親が子供に漫画を買い与えてくれる日がある
体調不良やらで学校を休んだ日だ
今でも覚えている その日がとても嬉しかった
わがままを聞いてくれ、お粥を作ってくれ、ポカリと月刊誌の漫画を買ってきてくれる
その分厚く私だけの漫画がとても輝いて見えた
ハガキに切手を貼り、懸賞応募する友人をいつも羨ましく眺めていたからだ
もちろん前号を読んでいないので話の流れはわからない、キャラに馴染みも無い
ただ「漫画を読んでいる」事が嬉しく隅々まで読んだ
親が「子を看病する」って良い親らしくて素晴らしいと浸ってるいる事に気づいた私は
毎月仮病日を作った