(元)親

漫画

家は厳しかった

漫画、ゲーム、テレビ 親が快く思わないものだらけだった

漫画は買ってはだめ、一度買うと続きも読みたくなり終わりが無いから

20時以降のドラマは見せてもらえず、学校で友人との会話に入っていけなかった

ゲームや本を友人から借りてはダメ

借りたのがバレるとまずはビンタ、洋服を引っ張られ 押され後ろに倒される

親の片手には借りた漫画、片手に私を引きづり無理やり玄関へ

夕飯が終わったであろう時間帯

私は頬を真っ赤にし泣き腫らした顔で親に連れられ友人宅到着

友人の母親が恐縮する中、しつけに厳しくマナーある人間だと演技し親は平謝り

そして私は友人と気まずくなる

しかしこんな親が子供に漫画を買い与えてくれる日がある

体調不良やらで学校を休んだ日だ

今でも覚えている その日がとても嬉しかった

わがままを聞いてくれ、お粥を作ってくれ、ポカリと月刊誌の漫画を買ってきてくれる

その分厚く私だけの漫画がとても輝いて見えた

ハガキに切手を貼り、懸賞応募する友人をいつも羨ましく眺めていたからだ

もちろん前号を読んでいないので話の流れはわからない、キャラに馴染みも無い

ただ「漫画を読んでいる」事が嬉しく隅々まで読んだ

親が「子を看病する」って良い親らしくて素晴らしいと浸ってるいる事に気づいた私は

毎月仮病日を作った

円錐切除術.6

2022年8月6日

円錐切除術.7

2022年8月7日